議会質問一覧へ戻る
  • 第3日 9月21日平成22年第4回定例会
  • 第5次総合計画の策定を終えられた今、平成21年度決算をふまえて、今後どのような財政運営によって政策実行されようと考えておられるのか市長の見解をお聞かせいただきたい。
  • 地方債の元利償還金に対する交付税措置の見直しで、平成22年以降の地方債の元利償還金について、事業費補正方式から単位費用方式へ振替が行われ、今後さらに対象事業が拡大する可能性が高い中、安定した事業運営の為、基金の創設等が必要と考えるが当局の見解を問う
    • 現在策定中の行財政運営改善計画(第6次行政改革大綱)をどのような視点から策定されているのか当局の説明を求める
    • 財政と政策を一体化させた組織改革が必要と考えるが、当局の見解を問う
  • 平成21年度一般会計の決算状況や現年度の状況を踏まえる中で、国民健康保険特別会計に係る健全化策について、早急に考える必要があると考えるが、当局の見解を問う
  • 現在、見直し作業が進められている、まちづくり市民条例に基づき、今後、いかなる条例・施策等を検討されているのか当局の見解を問う
    • 現在策定を検討されているであろう、新たな産業振興策はどのような視点から策定されようと考えておられるのか当局の見解を問う
    • 地域資源でもある、大阪国際空港を活用した産業振興策を今後、検討されていかれるのかどうか当局の見解を問う
    • 現在策定中の伊丹市みどりの基本計画に於いて、今後、緑のネットワーク実現の為にどのような施策が必要と考え検討されておられるのか、当局の見解を問う
    • 今後、地域が地域にあった公園づくりをできる為の施策を検討すべきであると考えるが、当局の見解を問う
  • 待機児童解消の為の認定こども園等就学前児童施設整備計画について当局の見解を問う
  • 新型インフルエンザ予防対策として、集団予防接種は必要と考えるが当局の見解を問う

以下原文

議員 岩城敏之 
 おはようございます。
 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は新政会を代表して、発言通告書に基づき質問をさせていただきます。
 平成21年度一般会計は、阪神・淡路大震災時の平成7年度決算以来の2番目の低額となる実質収支額が3億2881万円となりました。歳入面では法人市民税が昭和30年以降、過去最大の減少額及び減少率を記録し、総額においても平成7年以来の減少額及び減少率となりました。一方歳出面では、扶助費・補助費が決算額並びに割合とともに過去最大となり、地方債残高では普通債の残高は減少したものの、臨時財政対策債などの特例債の発行が15億3997万円増加するなど、地方債残高は7億4358万円増加し、648億6819万円となりました。補正予算で計上された前年度繰越金3億2316万円がなければ、実質収支額が赤字となった可能性もあり、本当に厳しい財政運営であり、その決算内容からも、平成21年度決算は今後の転機となるべき決算になったと思います。
 このように、非常に厳しく難しい財政運営の中、昨年12月補正で学校施設の耐震化工事などの予算を前倒しして措置したことにより、平成21年度末の耐震化率を近隣他市と比べて高い87.2%にまで高められ、平成23年度中に100%の達成見込みまで持っていけ、他市と比べ耐震化率を高くできたのは事前に設計費などを計上していたからであり、この先手を打った予算措置からであると高く評価するものであります。
 また、平成21年度決算とは関係ないものの、今般、来年度の税制改正に向け、国土交通省が航空産業の国際競争力強化のため、航空機燃料税の引き下げの要望を行う旨の報道がなされた際、市長はいち早く機敏な対応をされ、国土交通大臣を初めとする関係大臣に対し航空機燃料譲与税について税率の引き下げを行わないでほしい旨の要望を出され、結果、航空機燃料税の13分の2に当たる航空機燃料譲与税については、空港周辺の地方自治体にとって環境面・安全面などの空港対策を実施するための貴重な財源であり、関係の自治体からも税収額の維持について強い要望があるとの理由で、航空機燃料譲与税についての税率の引き下げの要望はなされないこととなりました。万一、航空機燃料譲与税が引き下げられるようなことになっておれば、本年度実質収支額を超える減収になっていた可能性もあり、その回避のため、市長が先頭に立って動かれましたことも高く評価できるものであると思います。
 いずれにいたしましても、今後、一瞬一瞬の対応を間違えれば財政的危機にも直面する可能性があり、また地方から国に対して働きかけていくことがいかに必要であるかが明らかになりました。
 そこで、第5次総合計画の策定を終えられた今、今後どのような財政運営が必要と考えておられるのか、市長の見解をお聞かせください。
 2番目に、本年1月26日付、総務省自治財政局地方債課事務連絡において、地方団体の自主的、主体的な財政運営を図る観点から、地方債の元利償還金に対する交付税措置の見直しが行われ、平成22年度以降の地方債の元利償還金について事業費補正方式による基準財政需要額への算入を廃止し、単位費用により措置する方法に振りかえが行われることとなりました。
 今回の事業費補正を行わない累計の中で、本市に関係のあるものとして学校教育施設など整備事業債のうち、水泳プール及び武道場の新改築事業並びに給食施設の新増改築事業に係るもの及び地方道路等整備事業債が考えられると思います。これは今後、毎年交付される地方交付税の中に、将来のこれら該当事業を行った際に交付税が上積みされることなく、今まで上積みしていた地方交付税分を平準化して毎年の地方交付税の中に加算して交付され、今後該当事業を行うに際し、今まで上積みされていた交付税に相当する額も一般会計から支出するわけで、該当年度の一般会計でのウエートが高くなるということであります。
 そのほか、本年度決算でも建設事業の財源として発行した普通債は年々減少し、平成12年度のピーク時の4分の3の水準である432億525万円と減っているものの、本年度も臨時財政対策債などの特例債の発行が15億3997万円増加し、結果的に地方債残高は7億4358万円増加しており、今後、国の交付税及び譲与税配当金特別会計の借り入れ等利子充当分が増加する可能性も考えるならば、本市としての財政ストックの判断を間違えれば、今後ますます財政硬直化が進んでいくことが想定されます。確かに今般の事業補正の見直しの該当事業は限定的なものであり、今後の政権によってはその政策が変わってくることも考えられますが、今般の見直しは地方分権改革推進委員会第4次勧告において、財政力が弱い地方自治体における事業の執行などにも配慮し可能な限り縮減する方向で検討すべきとされたことを踏まえて、地域主権確立の見地から見直されたことを考えるならば、今後さらに該当事業が増加する可能性が高いと想定されます。
 そこで質問させていただきます。財政運営は現時の税制に的確、迅速に対応していくことが必要であると考えます。したがって、今後の施策実行のためにも、将来の需要に備えて財源をストックしていく必要があり、そのためには基金などの創設が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 3番目に、現在、伊丹市行財政運営改善計画(第5次行政改革大綱)にかわる次期行財政運営改善計画(第6次行政改革大綱)を策定されているところであります。現在の行財政運営改善計画は、平成18年度から平成21年度までの間、毎年改善予定額を上回る改善実績を上げ、最終年度となる平成22年度までには目標数値を達成できるものと思っております。
 しかしながら、その内容は計画に掲げた6つの基本方針のうち、人件費総額の縮減と積極的な財源確保のうち、収益事業、具体的に言うならば、競艇事業と償却資産税が改善実績額のほぼ半額を占めるものとなっております。一方、基本方針の地方公営企業の経営健全化については、改善予定額を現段階では大きく下回っており、地方公社など経営健全化についても、その改善実績額はごく少額でしかありません。本年度の決算を見るならば、歳出総額に占める人件費の割合が20.3%となり、阪神・淡路大震災の影響を受けた平成7年に次ぐ2番目に低い割合となり、今後も組織体制・人事の適正化に取り組む必要があるものの、削減については一定の限界を迎えており、競艇事業についても、ここ数年獲得できているビッグレースが今後も継続して獲得できる保障もなく、償却資産税についても伊丹空港に飛来する旅客機の小型化・市内企業の設備投資が冷え込んでいる中、償却資産の見直しについても一定の限界があるものと考えます。
 行財政運営改善計画は総合計画の円滑な執行のため、その財源不足を補てんするための計画であるとの位置づけについては一定の理解を示しますが、現行の各部の削減を積み重ねていく方式には限界があり、将来にも続く根本的な改善計画となっているかどうかについては疑問を持たざるを得ません。
 現在の行財政運営改善計画の結びの部分においては、「従来は財政の危機的状況を回避するための、いわば対処療法的な取り組みであったと言える。今後は行財政運営改善計画の実行を特別視することなく、社会経済情勢や市民のニーズの変化に適切に対応していくための手法として、前例踏襲的な考え方にとらわれることなく常に問題意識を持ち、旧来のやり方の変革に向け積極的に取り組んでいかなければならない」とされております。
 本来、行財政運営改善計画を考えるならば、無駄を省くのは当然のことながら、各政策と連動していく中で経費削減を考え、政策間の効率性によって経費削減を考えたり、市民の方々に行政サービスコストを明確にした上、その上で行政評価をして施策のあり方について考えていただくことが必要であり、また一方で政策によって増収を図るといった観点も必要であると考えますが、現行の行財政運営改善計画の目的・位置づけであれば、削減計画がたとえ出されたとしても、その受け皿となるべき政策・施策が並行して実施されていなければその効果は上がらず、結果として将来に向けての削減策にもならないのではないかと思います。
 そこで質問させていただきます。まず、現在策定中の行財政運営改善計画はどのような視点から策定されているのか、当局の見解をお聞かせください。
 次に、財政と政策を今以上に連動させて行財政運営を検討すべき時期であり、政策の効率化による経費削減、政策による増収を検討するためにも、また今後、各施策の計画スパンが長くなり財源のストックが必要となっていく方向性の中で、財政と政策を一体化させた組織改革が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 4番目に、国民健康保険事業特別会計の平成21年度決算の状況は、歳入歳出差し引き額はマイナス12億700万円の赤字となり、平成21年度決算では医療分の累積赤字解消と後期高齢支援金としての納付額の増額に対応するため国民健康保険税率が改定されましたが、一般医療費を見ますと、前年度比で約8億1000万円増加しており、累積赤字額は改善されておりません。
 国におきましては「高齢者医療制度改革会議」が昨年秋に設置され、高齢者を含めた新たな医療保険制度を検討していると聞いております。去る8月20日、高齢者医療制度改革などについての中間の取りまとめ案が発表され、年齢による保険区分は取りやめ、現在、後期高齢者医療制度に加入され、現役で働いている方は被用者保険に、現役で働く方を除く方は国保に再加入させる、そして新制度に移行する場合はできるだけ負担増を生じさせないなどの骨子を年末までに最終案として取りまとめ、平成25年度からの大幅な医療保険制度改革が実施されようとしております。また、今年度から都道府県による市町村国保事業の広域化と国保財政の安定化を推進するための支援方針を定めることができるよう、国民健康保険法の一部が改正されております。
 これらの動きを見ますと、近い将来において国民健康保険事業の広域化による運営などが一気に進むのではないかと考えます。これら新たな医療制度改革、そして都道府県単位の広域化なども考えると、累積赤字額の早期解消が大きなポイントとなってまいります。
 また、本市の連結決算に見るならば、国民健康保険事業特別会計・宮ノ前地下駐車場事業特別会計の赤字額を一般会計と競艇事業特別会計でたまたま相殺しているような形となっております。今後、連結実質赤字の発生を防止する点から考えても、その対応を検討していかなければならない時期であると考えます。
 国の医療制度改革に伴う平成19年度までの一般医療分の累積赤字額と平成22年度までに生ずる老人保健拠出金に対する清算金については既に凍結され、税率改定には算入しないこととなっておりますが、このことは一般会計から国民健康保険事業特別会計への繰り出しを行い、凍結額の解消を図られるものと理解しております。
 そこで質問させていただきます。平成21年度一般会計の決算状況や現年度の状況を踏まえた上で、国民健康保険事業特別会計に係る健全化策について当局の見解をお聞かせください。
 5番目に、現在、伊丹市まちづくり基本条例の見直し作業が始まり、今後、来年の条例改正案が上程されるまで、その作業が進められていくことだと思います。
 伊丹市まちづくり基本条例は平成15年10月1日に施行され、施行の日から4年以内ごとに市民の参画と協働によるまちづくり推進状況について検討を加え、その結果に基づき見直しが行われることとなっております。今回が2回目の見直し時期であります。現在、全国で自治と市民の関係を再提起、再構築しようとする中、その名称は異なっていても市民自治の基本としての自治基本条例、市民参画の基本としての市民参画条例、市民との協働支援の基本としての市民協働支援条例など、各自治体が新しい条例を定めています。そして、これら自治の基本条例と並行して、コミュニティーづくりのための条例・施策が策定されております。まず、誤解がないために申し上げますが、当然に条例や施策が先にあって、まちづくりの全体像をつくり上げていくものではありません。あくまで大枠のどのようなまちづくりをするかといった全体像が決まって、その全体像をつくり上げていくための仕組みづくりとしての条例や施策を考えていくのは当然のことであります。
 しかしながら、まちづくり基本条例が施行され7年が経過しているにもかかわらず、その全体像がいまだ見えてまいりません。本来であるならば全体像に関係なく、既に市民と行政と議会の役割を明確にするためにも、自治基本条例などについては検討に入っていくべきであり、コミュニティ活動に関する部部については、全体像ができる前から取り組まなければならない施策は数多くあると思います。
 例えば、九州宗像市などは、自治の基本条例とコミュニティ活動を一体化させた「宗像市市民参画、協働及びコミュニティ活動の推進に関する条例」を策定されておりますが、その策定の前提として、コミュニティーの基礎的単位となる自治会組織を維持するための宗像市自治公民館建設補助金交付要綱を定め、その結果、自治会数143のうち自治公民館を所有している自治会数は121となり、自治会の活動拠点の移管が確保され、自治会組織を維持した上で「宗像市市民参画、協働及びコミュニティ活動推進に関する条例」の対象となる小学校区単位のコミュニティ運営協議会を設置されておられます。
 全体像を固めていくことは最も大切なことでありますが、全体像を固める前にしなければならないことは数多くあると思います。そこで、今後、市民、行政が一体となってまちづくりをしていくための全体像をつくり上げていく前に、今後いかなる条例施策を検討されているのか、当局の見解をお聞かせください。
 6番目に、現在、伊丹市産業振興ビジョン・アクションプログラム2006−2010にかわる新たな産業振興策を検討中であることと思います。本年度決算において歳入は16億6237万円の減となり、阪神・淡路大震災の影響を受けた平成7年以来、2番目の減少額及び減少率となりました。特に法人市民税は昨年度に比べ12億1605万円の減の17億7286万円となり、昭和30年以降では過去最大の減少額及び減少率となっております。改めて法人税の増減が本市に対して与える影響の大きさが明らかとなりました。今後、少子高齢化によって個人市民税の減少が予想される中、法人市民税が本市の貴重な財源であることを考えるならば、産業振興策は本来ならば行財政運営改善計画の積極的な財源確保に連動すべきものと考えます。しかしながら、現在の位置づけは「まちづくりプラン」を上位計画とし、目的は夢と魅力のあるまち伊丹の実現に向けての伊丹市全体の産業振興の方向性を示すとなっております。
 本来、産業振興策は世界情勢や国の産業施策の動向を見据えて検討されるものであり、それらを検討材料としていない「まちづくりプラン」を上位計画とすることについては疑問を持たざるを得ません。新たな産業振興策の目的をどのように考えているのか、また位置づけについて再検討が必要ではないかと考えます。
 現行の伊丹市産業振興ビジョンでは、「産業分野に関連の深い都市計画や環境計画・ブランド戦略などの関連計画と一体となった計画推進に取り組みます」と記載されております。確かに工業や商業立地については、都市計画・環境計画といった計画と密接に関連するものであり、これら計画との連携がとれなければ有効な産業振興施策は打ち出せないものと考えますが、現在の産業振興ビジョンには、他の関連計画と連動しているのはブランド戦略に関連するものだけではなかったかと思います。
 本市では平成8年度以降、年々事業所数の減少が続いております。産業振興策を考える場合、まず既存の企業がなぜ伊丹に立地しているのか、今後伊丹から移転する可能性がある既存企業があるならば、それはいかなる原因で移転するのかについて予想、分析した上で問題を想定し、その問題点を解決するための施策を打ち出す、そのことこそが本市の立地魅力を高める産業振興策であると考えます。
 例えば本市の場合、工業地域や風致地区となっていたり、容積率の関係から有効な商業施設の建てかえが難しい地域などが存在しております。これら解決のため、例えば工場敷地外緑化の施策や建物の建てかえを容易にするための容積率の緩和策、特区などを検討し、他の計画、施策担当部署に対して検討を要求する必要があり、これら要求は当然のことながら産業振興策側からすべきであり、産業振興策に記載すべきであると思います。そして現在の既存企業の立地環境を分析してこそ、企業誘致にも結びつくのではないかと考えます。
 そこで質問させていただきます。現在策定を検討されているであろう新しい産業振興策は、どのような視点から策定されようと考えておられるのか、当局の見解をお聞かせください。
 次に、現在、大阪国際空港の今後のあり方について検討されているところであり、本会派からも昨年来より再三、大阪国際空港の今後のあり方についてどのように考えるか当局に質問し続けてまいりました。申すまでもなく、大阪国際空港の存在は本市の企業立地に大きく影響し、その存在は本市にとって不可欠なものであります。しかしながら、今後、空港が栄えても、本市は栄えずということが生じかねません。現在まで空港の存在に重点を置かれていましたが、今後、空港が民営化されるようなことになれば、空港の経営がうまくいくことを望むことは当然のことながら、本市自身にもプラスになるような空港を活用した産業振興策を打ち出し、日本や関西にとって付加価値の高い空港としていく必要があるのではないかと考えます。
 そこで今後、大阪国際空港を活用した産業振興策を検討するための情報収集、働きかけ、情報発信をされていかれるのかどうか、当局の見解をお聞かせください。
 7番目に、現在新たな「伊丹市みどりの基本計画」を策定されているところであり、また、関連してくる計画である「都市計画マスタープラン及び環境基本計画」も策定されているところであります。緑を確保することは環境、防災、心の潤い、生物多様性、健康づくりといったあらゆる点において重要なことであり、山のない本市にとって緑を確保し保持した上で、緑を連鎖させていくことは大切なことであります。そして、その実現のためにはあらゆる角度で検討した上での計画が求められるところであり、その意味からも伊丹市みどりの基本計画の持つべき役割は重要であると考えます。
 現在の計画でも上げられております「水とみどりのネットワーク形成」は、昆陽池中心に緑のリングを形成し、そのリングから市内各方向に緑の連鎖を伸ばすものであり、今後も引き続き取り組まなければならない計画であると思います。
 しかしながら、このみどりのネットワークを形成していく上で、特に本市南側の地域についていえば、本市南側の地域は住宅地が多く、民有地としての緑の確保はされているものの、道路や河川、水路の沿道などの緑を、その緑とその連鎖が確保されているかといえば疑問が出てまいります。道路や河川、水路などの緑化は法的な規制も多く、本市南側については特に地域住民の方々の理解と協力がなければ、なかなか達成できるものではなく、まずその環境づくりが必要であると考えます。そして、その環境づくりのためには、緑の地域拠点、すなわち都市公園法に基づく街区公園を初めとする公園や、伊丹市児童遊園地条例に基づく児童遊園地、公共施設の緑化を整備した上で、それらを連結させていくことを考えていく必要があるのではないかと考えます。緑は点で存在するよりも連鎖させることがより効果的であり意味もあり、そして、そこを人が歩いてこそ価値があるものとなります。その仕組みづくりが必要ではないかということであります。
 そこで質問させていただきます。現在策定中の伊丹市みどりの基本計画において、今後みどりのネットワーク実現のためにどのような施策が必要と考え、検討されているのかについて当局の見解をお聞かせください。
 次に、今回市内の街区公園92、近隣公園9、地区公園2、総合公園1、風致公園1及び児童遊園地129のうち、特に市内南側に位置する街区公園21、近隣公園2、児童遊園地34の公園をインターン生が調査してくれました。現在も順次調査中でありますが、現段階までの調査から感じられたことは@公園の中に木陰が少ないこと、A公園の緑をきれいと思えないといったことでありました。それぞれの公園が地域の中で治安・清掃・騒音などといった諸問題を抱え現在の姿になってきたことは十分に理解できますが、画一的な公園ではなく、例えば公園中心部に木陰のできる木を植栽したり、公園の周りに花壇をつくったりといった特徴ある公園づくりが必要ではないかと考えます。つまり、地域が地域ごとに合った公園づくりをできるための施策を検討すべきであると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 また、地域が地域ごとに合った公園づくりをしていく中で、まず公園を拠点とした地域コミュニティーを形成していくことが必要であり、そして公園と公園とを結びつけるためのコミュニティーの連携が必要と考えます。しかしながら、これら施策はみどりの基本計画だけでは解決できることではなく、他施策との連動が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 8番目に、本年度から始まった「伊丹市次世代育成支援行動計画(愛あいプラン後期計画)」の重点課題であり、待機児童の解消については目標事業量として平成26年度までに認可保育所の定員につき340名の増加を図ることとされ、その実施計画として認定こども園等就学前児童施設整備計画(案)が9月17日の文教福祉常任委員協議会で明らかにされたところであります。
 本年6月24日、伊丹市学校教育審議会に対し、伊丹市教育委員会から平成20年の前回答申の方向性を踏まえた幼保一元化施設の導入について諮問がなされました。前回答申の、「認定こども園制度が施設類型によっては十分な保育内容が担保されていないおそれがある」については、幼保連携型の認定こども園であれば問題ないとの結論が出され、また前回答申の「直接契約によるデメリットが懸念されることなどの課題」については、当初議論されていたような直接契約によるデメリットの問題はないとの結論が出されました。そして、すずはら幼稚園については幼児教育の向上及び待機児童の解消を図ることについて、認定こども園制度を活用することが確認され、神津幼稚園については神津保育所と統合し、幼保連携型の認定こども園とすることにより、幼児教育の向上を図ることが確認されました。
 そこで質問させていただきます。まず、認定こども園の設置主体についてであります。学校教育審議会と福祉対策審議会の合同部会では、公立・私立の別は認定こども園制度そのものの推進に影響を与えるものではないとの判断をされましたが、その区域の幼稚園や保育所の設置状況なども十分に考慮し、今後本市において認定こども園制度を活用した幼保連携型の施設の整備計画を策定し、その計画を推進するに当たり、公私の役割というものを念頭に据え、認定こども園制度を活用することが確認されています。そこで、神津幼稚園と神津保育所を公立の認定こども園とし、すずはら幼稚園の施設を利用し民間の認定こども園制度とした理由につき、当局の見解をお聞かせください。
 次に、本市の幼稚園の大きな特色となり定着していた公立幼稚園の1校1園制を、平成10年度の園児募集から従来の1校1園制からブロック園区制に改め、幼稚園区の弾力化を図ってこられました。
 今回の答申において、公立幼稚園のブロック園区制を廃止し、全市1園区とすることとされていますが、認定こども園の新設により、認定こども園へ就園を希望する保護者を受け入れるためのブロック園区制を廃止することにつきましては理解するところでございますが、それ以外の部分でブロック園区制を廃止し、全市1園区とすることについて、今回の学校教育審議会の答申に明記されているにもかかわらず、なぜ計画(案)には具体的な内容を示されていないのか、教育委員会の見解をお聞かせください。
 また、認定こども園が新設されることに伴い、募集総数についても検討が加えられていることと思いますが、今回の今後の募集総数のあり方について、あわせて見解をお聞かせください。
 最後に、認定こども園の保育料についてであります。現在、保育所機能部分における保育料については、設定に関して市の関与と指導の権限が担保される制度設計となっておりますが、幼稚園機能部分の保育料については実施主体が適切に定めることとなっております。本市には保護者負担額の公立、私立間格差を是正するための私立幼稚園奨励補助金制度もあり、ケースによっては入園料、保育料に限っては、公立よりも私立の方が負担が低くなるということもあります。
 そこで、幼稚園機能部分の保育料について、実施主体が適切に定めることとされている料金設定について、当局の見解を求めます。
 9番目に、昨年4月、豚インフルエンザの人から人への感染がメキシコで確認され、その後感染は世界的に拡大、5月16日には兵庫県においても感染者が確認、その後、本市においても感染者が確認され、学校閉鎖や各行事が中止となったのはつい1年前のことであります。
 昨年の新型インフルエンザの発生はガイドライン改定のときから間もない時期に発生したことから、国及び地方自治体において事前の準備や調整が十分でなく、結果として市民の不安を招くものとなりました。また、パンデミックワクチンの供給については国内生産体制の強化を始めたばかりで、一度に大量のワクチンを供給できなかったこと、病原性がそれほど高くない新型インフルエンザに対応して、臨時にワクチン接種を行う法的枠組みが整備されていなかったことも市民の不安を招くものとなりました。
 そのような中、伊丹市医師会が市保健センターで、基礎疾患がない市内の1歳から小学3年生を対象とした新型インフルエンザワクチンの集団予防接種を1回目を12月に、2回目を本年1月に実施され、12月には2010名が、1月には1864名が集団予防接種を受けられました。このことは市内の集団予防接種対象者の親御さんに安心感を与えるとともに、さらなる感染防止にも役立ち、特に小児科を初めとする診療施設のパニックを減少させ、予防接種対象者以外の方々のスムーズな診療体制にも役立ったものであると思います。
 しかしながら、集団予防接種を終えて問題点は数多く出てきたと思います。当時、法的枠組みが整備されていなかったことや実効性のあるシステムが確立されていなかったことがあるにせよ、ほとんどすべてが医師会任せになりきっていたのではないかということであります。
 まず問題点としては、予約人数と接種人数との差が2回合わせて654名生じたこと、ワクチンは買い取り制のため、その余ったワクチンの費用をだれが負担するのか、この点については本年8月27日、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務連絡、国内産新型ワクチンインフルエンザの医療機関在庫の引き上げによって一定の解決をしているようですが、その間、行政側においては何ら対応策を検討されていなかったのではないかと思います。また、予約の受け付け、予防接種の費用の徴収、管理などもすべて医師会任せでありました。
 本年6月10日の新型インフルエンザ対策総括会議報告書の提言では、今回の新型インフルエンザ対策の経験を踏まえ、現場の意見を聞きながら新型インフルエンザ対策行動計画に基づくワクチン接種に関するガイドラインを早急に策定すべきであり、その際、実施主体、費用負担のあり方、集団接種などについても検討すべきであるとし、また、ワクチン接種については医師会などの関係機関と相談、調整のもと、新たな感染者、感染症の発生や既知の感染症の病原性の変化に応じ、集団接種で実施することも考慮しつつ、あらかじめ接種の予約、接種の場所、接種の方法など、現場において実効性のある体制を計画すべきであるとされております。
 現在、国会において予防接種のあり方については法整備がなされているところであり、また、ワクチンの流通量が見込める現状においては昨年とは違い、集団予防接種のあり方について変化が生じておりますが、予防接種の体制は整えていくべきであり、今回の経験は十分に今後に生かしていけると思います。
 そこで質問させていただきます。今後、市として今回の経験と反省を踏まえて、集団予防接種に対し取り組むことが必要と考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 以上、私の1回目の質問とさせていただきます。
以上

議会質問一覧へ戻る