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  • 第6日 9月24日平成21年第5回定例会
  • 「特定健診」の受診率、「特定保健指導」の指導率及びメタボリック症候群の減少率の目標数値を達成させるための呼びかけ方法及び受診環境の整備について
    • ウォーキングを基軸とした情報発信の可能性について
    • 地域と協力してつくる、ウォーキングコース設定の可能性について
    • 子どもから高齢者、家族やグループが活用できるウォーキングコースの必要性について
    • 中心市街地における回遊性、滞留時間向上のための情報板(サイン)のあり方について
    • 中心市街地から、ウォーキングコースへ誘導するための情報板(サイン)の設置について
    • ウォーキングコース上での道標及び情報板(サイン)の設置及び地域情報の発信について

以下原文

議員 岩城敏之 
 ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告書に基づき質問及び提案をさせていただきます。
 昨年6月議会において、健康づくりをテーマとして提案を中心に各施策につき質問をさせていただきましたが、その後、高齢者の医療の確保に関する法律も施行後1年経過し、伊丹市民意識調査では健康が最も関心度の高い項目となり、当局も健康づくり大作戦として本年8月よりウォーキング講座、9月よりいたみウォーキングポイントを実施されるなど、この1年間で健康づくりに対する市民の方々の関心度がさらに高まってきておりますので、昨年に続き健康づくりを軸とした各施策につき質問をさせていただきます。
 昨年4月より施行された「高齢者の医療の確保に関する法律」は、国保、健康保険組合などの保険者が40歳以上74歳以下の被保険者に対して、特定健診・特定保健指導を行うことを義務化するものであり、さらに、国保については、平成24年に特定健診65%、保健指導45%、平成27年に特定健診80%、保健指導60%の実施率にすることを求め、予備軍を含めたメタボリック症候群の目標減少率については、平成24年に10%、平成27年に25%にすることを求めています。さらに、平成24年からは成果と連動するペナルティー制度を指導するとしており、目標非達成の保険者に対しては、後期高齢者支援金をペナルティーとして最大10%上乗せするとし、目標成果達成の場合は最大10%を削減するとしています。
 本市の場合、平成20年度決算での後期高齢者支援金額が21億5439万円であり、この金額は施行されてからの11カ月分でありますから、12カ月分で計算すると昨年、質問時に上げさせていただいた23億円とほぼ一致する23億5024万円となります。そして本市における平成20年度の特定健診実施率は21.7%、特定保健指導実施率は20%とお聞きしており、特定健診については計画の23%を下回り、全国平均の28%を下回ったと聞いております。
 確かに、ペナルティー制度については、いまだ具体的な国の方針が見えないところもあります。どのような非達成状況でペナルティーが科せられるのかわかりません。しかし、このままですと10%のペナルティーが科せられる可能性がないとは言えません。そうなりますと、本年度ベースで約2億3500万円のペナルティーが後期高齢者支援金額に上乗せされることになります。そして、この上乗せ額の調達についても平成20年度より創設された後期高齢者支援金等課税額を増額するといった国保税率のアップによって調達するのか。調達額の全部または一部について一般財源から充当もあり得るのかどうかについても、いまだはっきりしておりません。
 しかし、いずれにせよ後期高齢者支援金額が増加することは、平成20年度決算でも累損額が11億円を超えている国保会計においては制度の存続そのものに影響してくるということであります。特定健診・特定保健指導の受診は、あくまでも被保険者の関心と自発性によるところが多く、保険者側である行政から被保険者に対して受診を強制できるものではありません。したがって、行政側からできることは、市内3万5000名の国保対象者の方々に対し、「受診してください、あなたの健康のためなのですから」といった呼びかけが中心となります。しかしながら、これでは本当に目標数値をクリアできるかについては疑問を持たざる得ません。
 当局においても無受診者の方々に対するアンケートを実施し、どうして関心がないかを調査し、関心度を高めるための手法の検討や土日祭日の集団受診の実施、実施回数の増加、出前健診の実施など、受診環境の整備を今後考えられているとのことで、その努力は評価いたします。しかし、単に健康という側面だけの呼びかけや受診環境整備だけで対象者の方々の関心度を高め、目標数値をクリアできるかについては、さらなる検討が必要ではないかと考えます。すなわち対象者の方々に関心を持っていただける要素を複数化し、環境整備についても、もっと関係機関から協力が得られるような仕組みづくりをする必要があるのではないかということであります。
 後期高齢者医療制度については、政権交代により後期高齢者医療制度を廃止し、国保に戻すとも言われております。このペナルティー問題自体、平成24年にはどのようになっているかはわかりません。しかしながら、健康づくりの予防という観点から考えるならば、ペナルティーに関係なく、より多くの市民の方々が毎年、みずからの健康維持のため健診を受け、成人病の原因とされるメタボリック解消に努めることが必要であります。
 また、個人の健康維持は医療費とも密接な関係にあります。そこで、健康を維持するかしないか、また受診するかしないかは個人の関心、自発性にあります。しかし、保険料の変更、医療費の変動、財政負担と大きく関係することを呼びかけの中に含むことによって、健康づくりに対する関心度が高められないかということです。
 当局では既に特定健診・特定保健指導Q&Aにおいて、特定健診を受けないとどうなるか、の問いに対し、将来、保険税が上がる可能性がある旨のパンフレットを配布されておられます。今後、今回のペナルティー問題に限らず、市民の方々に対し、市民サービスのコスト及び制度の仕組みから生じるリスク変動の可能性を伝えることは必要であると考え、今回のような試みは非常によいことであると思っております。しかしながら、今後、さらなる提供する情報内容、提供方法について検討していく必要があるのではないかと考えます。
 そして、受診環境の整備についても、ホームドクター制度の仕組みを行政と医師会を初めとする関係機関が一丸となって取り組むことにより、受診率をアップさせるための仕組みづくりをつくり上げていく必要があるのではないかと考えます。
 そこで、当局の高齢者の医療の確保に関する法律がペナルティーの対象とする特定健診の受診率、特定保健指導の指導率及びメタボリック症候群の減少率の目標数値を達成させるための呼びかけ方法及び受診環境の整備について、今後の見解をお聞かせください。
 次に、今月、私は伊丹緑道、美しい日本の歩きたくなるみち500選の一つ、伊丹、水と緑とバラの道、いたみ羅針盤みたいの中央コース及び東コース、伊丹散策マップシリーズの各コース、伊丹、水と緑の散策道の11コースのうち7コースなど、現在、本市においてマップや冊子によって紹介されているウオーキングコースを歩いてみました。みずから歩いてみますと伊丹の文化と歴史を感じるとともに、今まで見落としてきた新たな発見ができ、改めて伊丹の地域資源の豊富さ、昆虫館、プラネタリウム館といった施設のすばらしさを再認識することもできました。
 今回、各ウオーキングコースを市から出ているマップや冊子だけを使って歩いてみました。それぞれのマップや冊子は各部局でそれぞれの工夫がなされ、内容もよく、デザイン性のあるものも多かったのですが、いざ使ってみますと情報がばらばらで複数のマップや冊子を使わなければならないケースが多く、使い勝手の悪さを感じました。また、それぞれのマップや冊子で同じようなコース設定も多いため、どのようなコースがいいのか、どのマップや冊子をベースに歩けばよいのか迷ってもしまいました。
 そして今回、私は議員という立場でしたので、マップや冊子を容易に手に入れることができたわけですが、これらマップや冊子がどこでどのように配布され、本当に市民の方々や市外の方々の手に入っているのか。市民の方々や市外の方々がいつでも手に入れられる環境にあるのかどうかについては疑問を持ってしまいました。
 昨年、健康づくり、伊丹ブランドの発信の観点から、現在、市内で作成されているマップや冊子を整理集約し、何を目的とし、だれを対象に作成するのかを一度、検討されてはどうかと提案させていただいたところ、当局より現在、目的に応じてさまざまな散策ルートがつくられており、マップも作成しているが、起終点を中心市街地に置きながら、飲食や歴史、文化資源などを楽しめるような情報提供のあり方を考え、そのために子供から高齢者、家族やグループが活用できるルート設定やイベントの実施、年間を通して気軽に歩いてもらえる仕掛けなどを行っていきたいとの御答弁をいただきました。
 現在、本市ではこの3年間だけでも各担当課、企業、指定管理者、その他市民グループからさまざまなマップ、冊子が各8000から2万8000の部数で作成され配布されております。そしてその費用は3年間で1000万円を超えております。一方、この1年の間に尼崎市では実行委員会組織で企画され、初版2万3000部、発刊後5日後には7000部が増刷された関西で初めての出版社と共同で作成したタウン情報誌「るるぶ尼崎」が発刊されたり、現在もコンビニエンスストアなどで売られている「宝塚Walker」小さくプラス伊丹が発刊されるなど、近隣都市の情報誌が続々と市場で販売されております。
 本市では、ここ数年間のマップや冊子に限らず、伊丹ランドスケープや補地図など、非常にレベルの高いマップや冊子が過去作成されてもきています。私は、現在まで作成されてきたマップや冊子は本市の知的財産であると考えます。そして、これら知的財産を集約することはまち全体のブランド化にとって必要であると考えます。
 そこで、他市と同様のスタイルの情報誌を発刊するのではなく、まち全体をブランド化した上での情報誌の出版を検討すべきではないかと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 さらに、今回、歩いてみた感想を申し上げますと、例えば伊丹緑道や緑ケ丘公園内、昆虫館につながる昆陽池公園北側のウオーキングコースは、日中でも木々に覆われ、日差しを気にせず歩くことができました。伊丹スカイパークコース、いたみ羅針盤みたい東コースでは、プラネタリウム館、スカイパーク、田能遺跡記念公園などを見学、学習しながら歩くことができ、歩くことによって新たな興味や関心が生まれ、星についてもっと知りたいという気持ちにもなりました。また、旧西国街道、旧多田街道などは景観の美しさと歴史を感じながら歩くことができました。一方、旧行基道、有馬古道などは淡々と目的地に向かって歩くだけで他のコースほどの魅力を感じることは正直なところできませんでした。
 今後、特に市内南側地域では新たな地域資源の探索をするとともに、地域資源や施設に頼らない新たな仕掛けづくりによるコース設定が必要ではないかとも感じました。
 本市では平成11年、「生き物と共生し、水と緑が潤うまち=伊丹」として、「伊丹市みどりの基本計画」が策定され、平成40年を目標に計画が進められています。この基本計画の「水とみどりのネットワーク」は、昆陽池公園瑞ケ池公園、緑ケ丘公園を中核として、緑のコアを形成し、緑のコアから放射状にグリーンラインを市外に伸ばすとされています。これを連動させないのはもったいないと考えます。
 そこで、市内南側地域のコース設定にはこの「水とみどりのネットワーク」を基軸として考えていくことができないかということであります。市民の方々の健康づくりのためには、市内全域にウオーキングコースを設定することが必要であると考えます。そして、市内全域にウオーキングコースが設定されてこそ、伊丹ブランドにもなり得ると考えます。
 先ほど申し上げましたとおり、地域資源、施設を中心としたコース設定では地域的な偏りが生じます。市内南側地域のコースは道幅も狭く、街路樹だけではグリーンラインを形成することが難しく、地域の方々の協力がなければグリーンラインを形成できないと思っております。当局では既に以前から、地域とグリーンラインの形成につき話し合いが行われ、難しい問題が多く存在するのも理解しております。しかし、新たな地域コミュニティーの創設のためにも「伊丹市みどりの基本計画」と連動させたウオーキングコースの設定が必要と考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 また、市内南側地域のコース設定に限らず、既存のコースでもコース設定やコースの維持には地域の方々の協力が必要であり、まず地域の方々にコースの存在を認識、御理解していただく作業が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 そして、昨年、御答弁をいただきました子供から高齢者、家族やグループが活用できるルート設定についてでありますが、年齢別のコース設定や家族で歩ける推奨コースの設定、季節別の推奨コースの設定、そして、コースごとの距離、所要時間、歩数、消費カロリーなどを明記する方法によって、各世代の方々の関心度を高め、ウオーキングコースの活用頻度を高められるのではないかと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 さらに、昨年、健康づくり、中心市街地の活性化の観点から、中心市街地における回遊性を高める動線づくりをすれば、中心市街地に集まった多くの方々の滞留時間を長くすることができ、各ウオーキングコースの起終点を中心市街地にすることによって、中心市街地における消費も高まるのではないかとの提案をさせていただきました。当局からも非常に前向きな御答弁をいただきました。
 今般、中心市街地における情報板、サインをすべて歩いて探してみました。そして、中心市街地を歩いて気づきました点は、まず第1に鉄道やバスを使った市内外からの動線の基点となるJR伊丹駅、阪急伊丹駅から中心市街地内の主要施設である、いたみホール、伊丹アイフォニックホール、柿衞文庫、工芸センター、アイホール、伊丹シティホテルへの動線の弱さ、第2に主要施設や蔵前通り、イオンモールなどを初めとする中心市街地内のショッピングセンター及び免許更新センターといった各主要施設に集まった人々の誘導のための動線の弱さ、第3に車を使った市内外からの動線の基点となる宮ノ前地下駐車場の地下部分での地上出入り口への動線及び各地上出入り口から各主要施設への動線の弱さ、第4に動線上を移動する際の歴史、文化を紹介する情報板の少なさ、情報板同士の連続性の薄さ、第5に中心市街地を各ウオーキングコースと結びつけるための動線がないということであります。
 今年度、中心市街地内において情報板の整備事業として、行動拠点タイプ3個、回遊拠点タイプ5個、誘導拠点タイプ14個の計24個の情報板の設置を予定されております。これら情報板の設置されることによって中心市街地における回遊性は高くなり、中心市街地に集まった方々の滞留時間も長くなるのではないかと考えます。しかしながら、本当に中心市街地内の動線を確保するためには、今回設置される情報板だけでは十分と言えないと思います。設置場所については民有地も多く、必ずしも思った場所に情報板を設置できないことも多く、おのずとその数に限界が生じることも理解しております。しかしながら、今後も引き続き情報板の設置が必要となると考えます。当局の中心市街地における回遊性、滞留時間向上のための情報板のあり方について見解をお聞かせください。
 また、昨年、ウオーキングコースの起終点を中心市街地に置くとの御答弁もいただきました。ウオーキングコースの起終点を中心市街地にするならば、中心市街地から各ウオーキングコースへの動線の確保が必要であり、その動線を確保するための情報板の設置が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 今回、伊丹市を全く知らない他市在住の大学生4人と一緒に各ウオーキングコースを歩いてみたのですが、伊丹の地理を全く知らない人がマップや冊子で歩く場合、マップの次に頼りにするのが道標であります。今回、全コース上の道標及びコースに隣接するコミュニティー板を調べてみました。例えば伊丹緑道から国道171号線を越えて臂岡天満宮を経由して緑ケ丘公園に向かう道は、道標も少なく、伊丹の地理に明るい伊丹市民の私でも迷ってしまうほどでした。また、スカイパークコース、駄六川コース、旧行基道などは、ほとんど道標がなく、伊丹の地理を知らない人にとっては難しいコースかもしれません。本市における道標は公園から公園への移動を目的として設置されており、ウオーキングコースのために設置されてはいません。したがって、ウオーキングコースでの道標としては十分な機能を果たしているとは言えません。
 今後、ウオーキングコースのための道標整備が必要であり、またコースの中間点または終点となる、例えば、昆陽池公園などにおいては、市バスのバス停への誘導するための情報板の設置も必要と考えますが、当局の見解をお聞かせください。
 以上、私の1回目の発言を終わらせていただきます。
以上

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